心と体の元気を保つ快眠のコツ! 眠りのしくみから寝室の環境づくりまで心と体の元気を保つ快眠のコツ! 眠りのしくみから寝室の環境づくりまで

睡眠時間を十分に確保できない、寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなど、睡眠にまつわる悩みを抱える人は少なくないようです。睡眠は心身を休めたり記憶を整理したりするために欠かせない大事なもの。眠りの質の良し悪しが、生活の質そのものを左右するといっても過言ではありません。そこで今回は、眠りとは何か、質の良い眠りを確保するためにはどうすればよいのか、快眠セラピスト・睡眠環境プランナーの三橋美穂さんに教えていただきました。

今回は快眠セラピスト・睡眠環境プランナーに快眠についてうかがっております。
体調について気がかりな点がある場合は医師にご相談ください

三橋 美穂氏

三橋 美穂氏 PROFILE

快眠セラピスト・睡眠環境プランナー。寝具メーカーで商品開発や枕のアドバイザー育成、マーケティング、広報などを経験後、研究開発部長を経て2003年独立。眠りの大切さや快眠の方法、寝具の選び方を提案。特に枕については、その人の頭を触っただけでフィットする枕がわかるほど精通している。

知っておきたい眠りの法則

そもそも寝つきが悪くてなかなか眠れないという人は、どんな方が多いのでしょうか。三橋さんは「体調は悪くないのに、寝つきの悪い人は、生活習慣のどこかに問題があるはずです」と指摘します。「寝つきを悪くする生活習慣チェックシート」で普段の生活を振り返ってみましょう。

CHECK! 寝つきを悪くする生活習慣

  • 朝食をとらない
  • 日中の活動量が少ない
  • 夕方以降にうたた寝をする
  • 寝床に入る時間が早過ぎる
  • 入浴をしない、シャワーだけで済ませることが多い
  • 就寝直前に熱めのお風呂に入る
  • 寝る直前までパソコンやスマホを触っている
  • 夕食を遅い時間にとる
  • 夕食後にカフェインをとる
  • 就寝前にタバコを吸う、お酒を飲む
  • マットレスや枕が合わない
  • 寝室が汚い、シーツを1カ月以上換えていない
  • 眠くないのに床に入る

三橋美穂著『脳が若返る快眠の技術』(KADOKAWA)より

1つでも当てはまる方は
寝つきを悪くする生活習慣です!

「チェックシート」に当てはまる項目が1つでもある人は次の「5つの法則」を参考に、生活習慣の改善の方法を考えてみましょう。

ぐっすり眠るための「5つの法則」

よく眠るためにはいくつかの条件が必要です。その条件を三橋さんは「5つの法則」にまとめて紹介しています。

  • 1夜、眠くなったら眠る
  • 2疲れがたまっている
  • 3深部体温が下がる
  • 4リラックスしている
  • 5睡眠環境が整っている

(1)~(4)の4つが揃ったうえで、(5)が加わると、朝までぐっすり眠れます。

ぐっすり眠るための5つの法則 1夜暗くなったら眠る 2 疲れがたまっている 3 深部体温が下がる 4 リラックスしている 5 睡眠環境が整っている ぐっすり眠るための5つの法則 1夜暗くなったら眠る 2 疲れがたまっている 3 深部体温が下がる 4 リラックスしている 5 睡眠環境が整っている
法則 1夜、眠くなったら眠る
私たちの体には、夜、暗くなったら眠り、朝、明るくなったら目覚めるという「体内時計」の仕組みが備わっています。この体内時計の周期はぴったり24時間ではありませんし、個人差もあり、一般に高齢になるほど周期は短くなる傾向があります。こうした誤差をうまく調節するには、朝日と朝食で体内時計をリセットするのが効果的。朝、カーテンを明けて太陽光を浴び、起床後1時間以内にしっかりと朝食をとります。すると、15〜16時間後、周囲が暗くなる頃には自然に眠気が起こるといいます。
法則 2疲れがたまっている
「ホメオスタシス」ということばがあります。日本語で言うと「恒常性維持機構」、簡単にいえば、体の状態を一定の範囲内に保とうとする仕組みです。私たちの体にはこのホメオスタシスが備わっており、疲れがたまってくると、このままではいつもの健康な状態を維持できないと脳が判断し、眠るように指令を出します。よく眠るための適度な疲れをためるには、日中、活発に活動することが大切です。逆に、日中の活動量が少ないときは疲れがたまっていないので眠れないことも。そんなときは、朝、起きる時間だけを決めて眠くなるまで寝床に入らないようにすると、ぐっすり眠れるようになります。
法則 3深部体温が下がる
「深部体温」とは、体の中心部の体温のことで、体温計で測る体温より少し高めです。この深部体温と睡眠のリズムは密接に関係しており、明け方(起床時間の2〜3時間前)最も低くなり、目覚める前から上がり始めます。19〜21時頃に体温はピーク時を迎え、その後、下がると眠くなります。1日の体温にメリハリがあり、就寝前の下がり方が急なほど寝つきが良くなるので、寝る1〜2時間ほど前に体温を上げておくのが上手に眠りにつくポイント。一時的に体温を上げる方法としては入浴がおすすめです。快眠のための入浴の基本は、ぬるめのお湯に15分ほど肩までつかる全身浴を夕方から就寝の3時間前までの間に行うと効果的です。
法則 4リラックスしている
心臓の拍動や、呼吸、体温など無意識に働く体の機能は、交感神経(興奮させる神経)と副交感神経(リラックスさせる神経)によってコントロールされています。よく眠るためには、少なくとも就寝の1時間前にはリラックスした状態になることが大切で、そのためには副交感神経を活発にすることが必要です。アロマテラピーやBGMなど自分に合った方法を見つけましょう。反対に、交感神経を活発にさせるもの、たとえば喫煙、寝酒、夜食、カフェインの摂取などは就寝前には避けたほうが良いでしょう。また、パソコンやスマートフォンの画面に含まれるブルーライトも就寝1時間前には見ないようにしましょう。できれば夕方以降は、部屋の照明は電球色などで暗めに設定することをおすすめします。

法則 5睡眠環境が整っている

理想の寝室 理想の寝室
法則1〜4が揃ったうえで睡眠環境が整うと快眠の条件はほぼ完璧。寝具でもっとも大切なのはマットレス(敷き布団)と枕です。選び方のポイントは次の3つです。
・立っているときの姿勢を、仰向けの状態で保てる
・横向きの状態で、肩や腰の圧迫感が少ない
・寝返りがスムーズにできる
また、人は一晩に約コップ1杯分の汗をかきます。布団は週に一度は天日に干すか、布団乾燥機で乾かしましょう。また、枕カバーは3日に一度、シーツや布団カバーは1〜2週間に一度を目安に交換しましょう。
寝室の環境づくりのポイントはイラストの通り。
ぜひ参考にしてください。

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