- 高血圧について
-
高血圧について
血圧とは・・・
血圧とは、心臓から送り出された血液が、血管を通る際に血管にかかる圧力のことをいいます。
収縮期血圧 (最高血圧・上の値)
心臓が収縮し、血液を送り出すときに血管にかかる圧力を、収縮期血圧(上の値)といいます。
拡張期血圧 (最低血圧・下の値)
反対に心臓が拡張し、血液を取り込むときに血管にかかる圧力を、拡張期血圧(下の値)といいます。
高血圧とは
正常の値よりも高い血圧値が持続している状態を「高血圧」といいます。
日本高血圧学会による高血圧治療ガイドラインでは、診療所や病院で測定した「診察室血圧」について、収縮期血圧(上の値) 140mmHg以上かつ/または拡張期血圧(下の値)90mmHg以上は高血圧とされています。自宅で測定した血圧を「家庭血圧」とよびます。
家庭血圧を測定しましょう
家庭血圧は血圧の正確な評価をするために、
測定のタイミングについて
とても重要な値です。
朝と晩の1日2回、それぞれ2回ずつ測定し、
その平均値を記録する習慣をつけましょう。- ●朝は起床後1時間以内に、排尿を済ませ、
朝食前、服薬前に測定しましょう。 - ● 晩は就床前に測定しましょう。
- ●朝は起床後1時間以内に、排尿を済ませ、
- 高血圧の治療
-
高血圧の治療高血圧の治療について
降圧目標
血圧は体調や環境、時間などさまざまな要因によって変動するため、定期的に測定をし、管理することが重要です。なお、年齢により目標とすべき血圧値は異なりますので、自分の目標値を主治医に確認し、目標値達成を目指しましょう。
診察室血圧
(mmHg)家庭血圧
(mmHg)・75歳未満の成人
・脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし)
・冠動脈疾患患者
・慢性腎臓病患者(蛋白尿陽性)
・糖尿病患者
・抗血栓薬服用中130/80未満 125/75未満 ・75歳以上の高齢者
・脳血管障害患者
(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり、または未評価)
・慢性腎臓病患者(蛋白尿陰性)140/90未満 135/85未満 降圧目標を達成する過程ならびに達成後も過降圧の危険性に注意します。
過降圧は、到達血圧のレベルだけでなく、降圧幅や降圧速度、個人の病態によっても異なりますので個別に判断します。日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」より改変治療方法
高血圧の治療の基本は、食事や運動、禁煙などの生活習慣の改善(非薬物療法)です。これらを行っても十分な効果が得られない場合は、あわせてお薬による治療(薬物療法)を開始します。
- 血圧を下げるための日常生活のポイント
-
血圧を下げるための日常生活のポイント
食事療法
食事療法のなかで最も大切なのは減塩です。できる限り食塩を控えた食生活を心がけましょう。そのほか、カロリーの摂りすぎに注意し、塩分排出を促進させるカリウムを多く含む野菜、コレステロールを減らす不飽和脂肪酸(EPAやDHA)を多く含む魚などを積極的に摂るようにしましょう。
※腎機能の低下している方は、カリウムが蓄積しやすいため、主治医に相談してください。運動療法
酸素を取り込みながら全身を動かす有酸素運動は、高血圧の治療に効果的とされています。心血管病のない方は、軽いランニングやウォーキング、水泳など、1日30分以上の有酸素運動をなるべく毎日続けましょう。
その他の日常生活での注意点
肥満は高血圧だけでなく、糖尿病や脂質異常症などにもつながります。BMI:25未満を目標としましょう。
大量の飲酒は、血圧を上昇させる原因となります。日本酒なら1日1合、ビールなら1日中びん1本程度にしましょう。
喫煙は、血圧を上昇させたり、動脈硬化を進展させることがわかっています。たばこは、やめましょう。
急な体温変化は、血圧を急激に上昇させます。特に寒い季節は、外出時の防寒対策や、室内での温度変化に注意しましょう。
ストレスは一時的に血圧を上昇させ、継続すると高血圧の原因にもなります。趣味や運動などでストレスを解消しましょう。
入浴時のお湯の温度が熱すぎると血圧が上昇してしまいます。体温より少し高い程度のぬるめのお湯で入浴しましょう。
睡眠不足は、疲労やストレスの蓄積をまねき、血圧の上昇につながります。十分な睡眠時間を確保しましょう。
排便時のいきみは血圧を上昇させます。食事や運動で便秘の予防を心がけましょう。