兼六園
6つの名勝を兼ね備えた美しい庭園
加賀藩の5代藩主・前田綱紀が別荘を建て、その周りを庭園化したのが始まりとされ、水戸の偕楽園、岡山の後楽園と並び、日本三名園の一つに数えられます。宏大(広々した)と幽邃(静かで奥深い)、人力(人工的)と蒼古(古びた趣)、水泉(池や曲水)と眺望(遠くを見渡す)という、それぞれ相反する6つの景観を兼ね備えていることが、その名の由来です。季節に合わせて多様な表情をみせる回遊式の庭園で、少しぜいたくなウォーキングを楽しんでみてはいかがでしょうか?
唐崎松。兼六園の中で、最も枝ぶりが見事で、冬になると雪の重みによる枝折れを防ぐため、円錐形の雪吊りが施されます。
鶺鴒島。周囲の木々と苔生した鳥居、ゆるやかな水の流れ、鳥のさえずり…目を閉じ、深呼吸をすると、だんだんと心が静まってゆきます。
兼六園の魅力をすみずみまで楽しむ
美しい景観を余さず楽しみたい方は、園内を一周する“堪能コース”を歩いてみてください。桂坂口もしくは桜ヶ丘口から入園して、徽軫灯籠(右写真)よりスタート。眺望台から景色を眺め、花見橋を渡り、山崎山、夕顔亭、噴水などを経て、徽軫灯籠に戻ってくるコースです。
さて。せっかくの兼六園、たった1周で帰ってしまうのはもったいない気がしませんか? 共感いただける方には「逆回りでもう1周」をおすすめします。そのときは少しコースを変えて、ショートカットをしたり、遠回りをしてみたり。1周では見つけられない心に染みるような発見があるはずです。
1眺望台
加賀平野や周辺の山々を一望。庭園とは思えないスケールの大きな眺望が目の前に広がります。
2霞ヶ池
徽軫灯籠や蓬莱島などの名勝はここを中心に配されていて、見る場所によって表情の異なる景観を味わうことができます。
3花見橋
5月には満開のカキツバタ、夏は緑影、秋は紅葉、冬は雪景色、どの季節でも自然と橋が見事に調和します。
4山崎山
堪能コース最初の上り坂はここ。登りきったところにある東屋は、ひと休みするにはもってこいです。
5夕顔亭
1174年に建てられた茶室。こぢんまりとした質素な佇まいの中にも、素通りできない奥深さが。
6噴水
19世紀中頃につくられた日本最古の噴水とされています。ほっぺたをやさしく包む水煙とはじけるような水音は、ささやかな癒しをくれます。

1梅林
手入れの行き届いた和の風情ただよう梅林。
2瓢池
池の中程がくびれ、ひょうたんのようなかたちをしていることからその名がついたとか。
3翠滝
霞ヶ池からの流れが滝となって瓢池に注ぎます。近寄ることはできませんが、滝の音はそこそこ大きく、目を閉じれば雑念が消えます。
4栄螺山
らせん状の坂道を登りきった先から見下ろす霞ヶ池は、見事なスケールと美しさです。
5金沢城公園
兼六園を2周しても余力のある方は、ぜひ金沢城公園へ。芝生の緑と城郭の優美なコントラストを楽しんでみてはいかが?
ウォーキングをしよう!そう決心したときに、まず疑問に思うのは「どのくらいのペースで歩くのか」ということでしょう。国が策定した『健康づくりのための身体活動基準2013』によれば、生活習慣病の方の場合「3メッツ程度から運動を開始する」とされています。耳慣れない言葉ではありますが、3メッツの歩行ペースを表したものが右のアニメーションです。平地であれば1分間で67mほど進む速度が1つの目安となります。
ただし、疾病の程度や身体機能などによって望ましいペースは変わってきます。事前に医師と相談し、適度なペースでウォーキングを行うようにしましょう。