函館を訪れたら絶対に外したくない観光名所"五稜郭"。五稜郭の歴史は、日米和親条約締結による箱館開港当時、箱館山のふもと(現在の元町公園)にあった江戸幕府の役所「箱館奉行所」の移転計画から始まります。当時の奉行所は箱館港からよく見える場所に位置し、港に出入りする外国船からの標的になりやすいなど、防衛上の懸念がありました。そこで、奉行所の移転が計画され、同時に土塁で囲まれた場所に奉行所を建てることが計画されます。この土塁が"五稜郭"です。五稜郭はヨーロッパで発達した要塞都市をモデルとして設計され、7年の歳月をかけ1864年(元治元年)に完成します。しかし、江戸幕府崩壊により、五稜郭は明治政府に明け渡され、完成からわずか4年で蝦夷地の政治の中心地としての役割に幕を下ろします。五稜郭は1868年(慶応4年/明治元年)の戊辰戦争最後の戦いとなる箱館戦争の舞台となったことでも有名です。 その後、1914年(大正3年)からは五稜郭公園として一般開放され、それ以来、函館市民の憩いの場として親しまれています。
五稜郭公園を見下ろすようにそびえ立つ五稜郭タワーからは、星形の城郭をはじめ、公園の全貌を見渡すことができます。公園観光の前にまずはタワーを訪れてみてはいかがでしょうか?
五稜郭タワーは、五稜郭築城100年を記念して1964年に初代タワー(高さ60m)が建造されましたが、その後、2006年に高さ107mのタワーとして新しく生まれ変わり、五稜郭全体が見渡せるようになりました。
タワーや五稜郭公園の周辺は、春には桜の名所としても親しまれています。
五稜郭公園は南西側が正面です。目印となる石碑から一の橋と二の橋という2つの橋を渡ると郭内に入ることができます。最大の見どころは箱館奉行所。江戸時代後期に設けられた江戸幕府の役所で、箱館戦争終結2年後の1871年(明治4年)に解体されました。それから約140年の時を経た2010年(平成22年)に、可能な限り建築当時の材料・工法を採用し、かつての3分の1の規模で復元されています。忠実に再現された歴史的空間は、まるで幕末期にタイムスリップしたような感覚を与えてくれます。
時間と体力に余裕のある方におすすめしたいのが、五稜郭の堀の外側を一周するウォーキングです。一の橋前の石碑をスタート地点とする一周約1.8kmのコースで、春は桜、秋は紅葉など、四季折々の景色が楽しめます。手入れの行き届いた豊かな自然と水辺でゆるゆると過ごす野鳥たち。そんなのんびりとした光景は、都会の喧騒を忘れさせてくれます。歴史の息吹を感じながら歩みを進めるにつれ、自宅近辺のウォーキングとは一味違う、心地よい時間を過ごすことができます。ちなみにコースの途中にはベンチやトイレも設置されているので、時間をかけてゆっくりと歩きたい方も安心です。
野鳥たちのさえずりや、ゆるやかな風が吹いたときのさわさわとした葉擦れの音に、心が和みます。
外周園路は衝突事故防止のためにも左回り(反時計回り)に周回することが勧められています。
出典:国土地理院ウェブサイト(http://maps.gsi.go.jp)
地理院タイル(標高タイル)を加工して作成
ウォーキングのペース
※歩幅70cmの人の場合
ウォーキングをしよう!そう決心したときに、まず始めに考えるのは「どのくらいのペースで歩くのか」ということでしょう。国が策定した『健康づくりのための身体活動基準2013』によれば、生活習慣病の方の場合「3メッツ程度から運動を開始する」とされています。耳慣れない言葉ではありますが、3メッツの歩行ペースを表したものが右のアニメーションです。平地であれば1分間で67mほど進む速度が1つの目安となります。
ただし、疾病の程度や身体機能などによって望ましいペースは変わってきます。事前に医師と相談し、適度なペースでウォーキングを行うようにしましょう。
五稜郭公園内の主な見どころを観光
五稜郭の堀の外を歩くウォーキングコース
※数値は取材班による測定値であり、ルートや年齢、体格、運動能力などによって増減しますので、"目安"としてお考えください。
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